地理的表示による日本酒の保護
<地理的表示とは?>
ワインの「ボルドー」や「シャブリ」、ブランデーの「コニャック」のように、日本の焼酎も地理的な「原産地名」で保護することが可能となっています。
これは、「TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)」で、世界貿易機関(WTO=1995年1月1日設立)加盟国に、「ぶどう酒及び蒸留酒の地理的表示の保護」が義務付けられたためです。
これを受け、日本では「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」の規定に基づき、「地理的表示に関する表示基準」が整備されました(1995年7月1日から適用)。
これに先立ち、国税庁長官は、1995年6月、壱岐焼酎の産地である「壱岐」、球磨焼酎の産地である「球磨」、琉球泡盛の産地である「琉球」を指定しました。
さらに、2004年9月28日に「地理的表示に関する表示基準」の一部を改正して、「清酒」の産地を表示する地理的表示を保護することとしたのです。
2005年12月、薩摩焼酎の産地である「薩摩」、白山清酒の産地である「白山」が指定されました。
<白山菊酒が第1号>
「白山」は、清酒の地理的表示の産地として国税庁長官が指定した第1号となりました。
(画像は(財)石川県産業創出支援機構「イシコ Vol.30」
http://www.isico.or.jp/journal/isico030.htm より転載)
ブランドネームは「白山菊酒」で、「白山菊酒呼称統制機構」に加盟する蔵元5社が製造する日本酒の統一呼称です。http://www.hakusan-kikusake.jp/
昔から手取川流域で醸造される酒を「加賀菊酒」と呼ばれ、その高い品質は全国に認められていたそうです。
しかしながら、日本酒はTRIPS協定での強力な保護は受けていません。「地理的表示」と「商標」の保護範囲などについては、後日、御紹介させて頂きます。
<金谷社長への御礼>
末筆ながら。
昨日、私の研究室のS君が石川県白山市の「株式会社 金谷酒造店」さんに取材させて頂きました。
金谷社長、御多忙の中、院生の取材に熱心に応じて戴き御礼申し上げます。
院生の報告によると、金谷社長は慶応ビジネススクールの6期生で、地域ブランドにも深い見識と熱意をもった方とのこと。
現在、「白山菊酒呼称統制機構」の理事長をなさって世界に通用するブランド構築を目指しておられるとのこと。
いろいろな面で大変勉強になったようです。今後共、宜しく御指導下さいませ。
重ねて御礼申し上げます。
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コメント
「白水菊酒」は美味いです。商標以外で保護されるとは露知らず。
投稿: 酒好き | 2006年11月23日 (木) 14時13分