METライブビューイング
<謹賀新年>
明けましておめでとうございます。(*^_^*)
1月5日で、ブログ立ち上げから2月が経過しますが、引き続き、知財に関するいろいろな話題を御紹介したいと思います。
今年もご贔屓のほど、宜しくお願い申し上げます。<(_ _)>
<大晦日の早朝>
日本時間12月31日午前3時半から、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の『魔笛』の公演が開始されました。
「METライブビューイング」として日本で上映するために、『魔笛』のデータは海底光ファイバを通り、ネクシオン株式会社を経て、ソニーPCL株式会社の映像センターに送られ、日本語字幕の貼付作業が行われました。
私は「貼付作業」を見学するため、午前3時半に起きて、映像センターに5時にタクシーで駆けつけました。既に多くの関係者が作業中でした。<(_ _)>
午前5時40分(日本時間)、ニューヨークの公演が終わったとの連絡があり、当初予定よりもかなり公演が長引いたと判明。
「褐色の髪」と「褐色の目」などの言葉が入れ違いに歌われているなど、ライブの字幕貼付の難しさを痛感した次第です。
1番目の写真は、作業中のスタジオと同じ機能を持つスタジオ。
2番目は作業中のスタジオ。字幕貼付のための種々の作業が同時進行中。
3番目は字幕貼り付けの台本の最終確認作業をしているところ。
最後の写真は、全体の様子。若い皆さんが生き生きと働いておられました。(*^_^*)
私はたまたま目を閉じているだけ・・・。眠ってません。(^_^;)
<歌舞伎座の調整>
字幕貼付作業を見学後、歌舞伎座に移動して映像と音響の最終チェックを見学させて頂きました。
歌舞伎もオペラも400年の歴史をもち、マイクを使用しない点で共通しています。この観点から、歌舞伎座や南座での音響設営は面白い取組だったと思います。
お客様の入る前の歌舞伎座で、スピーカーの配置や各フロアの座席の見え方や音の聞こえ方を体験することができ、大変勉強になりました。
<感動は時空を超える>
『魔笛』の上映で最初に巻き起こった拍手は、夜の女王(エリカ・ミクローザ)が娘パミーナに短剣を渡してザラストロを殺すよう命じるシーンでした。有名な「夜の女王のアリア」です。
素晴らしいものに対しては、デジタルコンテンツであろうとなかろうと、時空を超えて拍手が起こるのだと実感しました。(*^_^*)
もちろん、そのデジタルコンテンツが臨場感を再現する高い品質であるからと考えられますが・・・。
大晦日、歌舞伎座(東京)、南座(京都)とも、世界初の大事業が成功されました。心からお祝い申し上げます。
関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。(*^_^*)
2006年5月24日 『讀賣新聞』の論点に「知財のデジタル化」を執筆させて頂きましたように、現在、コンテンツのデジタル発信の事例を調査させていただいております。
関係者の皆様の御協力に重ねて御礼申し上げます。<(_ _)>
◎追伸(2007年1月8日朝)
当日の様子が松竹さんのHPにアップされました。
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コメント
初めまして。舞台を観ること、創ることが好きな会社員です。ライブビューイングネタを探していたらこちらに参りました。
「魔笛」観ました。日経新聞で知り受付開始日に即チケット購入しました。観たかった公演でしたので、迷いはありませんでした。舞台と客席で時間・空間を共有するあの緊張感・空気が好きなのですが、確かにあの夜の女王のアリアでは、まるでMETにいるかのような吸引力がありました。上映の裏舞台は大変だったのだなぁと、素晴らし技術に感服いたしますが、同時に、人の力(音楽のパワー)が技術を超えた瞬間でもあったように思います。そして技術は人の可能性を引き出してくれるんだな、とも実感。生中継とか3Dで観られる日もすぐなんでしょうね。
投稿: Jasmine | 2007年1月 2日 (火) 09時20分
Jasmine様
素晴らしいコメント、有難うございます。
御指摘の通りと思います。(*^_^*)
私も「人の力は技術を超える」と思います。
このプロジェクトも「素晴らしい芸術を伝えたい」という多くの人々の「高い志」が支えていました。<(_ _)>
個人的に研究者や技術者に願っていることは、「人間の可能性を引き出す」科学技術を開発して欲しい、「夢見る力」をもつ研究者、技術者であって欲しいということです。
東京理科大学という理系の大学からこのような情報を発信している理由はここにあります。
歌舞伎やオペラなどの文化を世界中で楽しむには、文化を心から楽しむファンと、文化の本質を大事にできる研究者や技術者の存在が不可欠です。
ソニーやネクシオンや松竹の関係者とお話してそう確信しました。
日本の明るい未来はここにあると思います。
生中継や3Dは、案外すぐ来ると思いますよ。(*^_^*)
投稿: 生越由美 | 2007年1月 2日 (火) 22時19分
生越様
お返事ありがとうございます。また私のブログへのコメントもありがとうございました。本業はOA機器メーカーの社員で、ITツールでの「ナレッジマネジメント」に関わっています。仕事でデジタル化が進むにつれ芸術活動の時間も増えて、デジタル化への反動というか、無意識にバランスをとろうとしているのかな、と思ったりしていました(笑)。
舞台は完全にライフワークなのですが、それなりの投資もしているし(爆)、仕事と無関係なようで何かつながるものがあるのでは?と思っていながら活動をしていたので、このブログにインスピレーションを感じました。偶然の出会いに感謝します。いろいろ勉強させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
投稿: Jasmine | 2007年1月 3日 (水) 17時58分