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2007年5月

知的財産高等裁判所と特許庁

5月24日(木)は、放送大学のロケで、知的財産高等裁判所特許庁を訪問しました。

<知的財産高等裁判所>

2005年4月1日に発足した知的財産高等裁判所はどこにあるかご存知ですか?

答えは、霞が関の裁判所合同庁舎の17階にあります。 東京高等裁判所の特別の支部という位置づけで、東京地方裁判所と東京高等裁判所と同じ建物に入っています。

写真はその建物です。最寄り駅は、桜田門と霞ヶ関です。(*^_^*)

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ロケをさせていただいた日は、知的財産高等裁判所の所長が塚原朋一 (つかはら ともかつ)氏に交代された翌日でした。裁判所の皆様の御協力に心から御礼申し上げます。

ラウンドテーブルのある法廷、テレビ会議システム、裁判官室、通常の法廷などを、許可して戴いて撮影させて戴きました。<(_ _)>

実は、特許法の審判関連規定と民事訴訟法の関連性はかなり強いのです。改正・民事訴訟法でテレビ会議システムで証人尋問を行うことができるようになりましたので、特許審判でも同じような規定を整備しています。<(_ _)>

技術の進展に伴い、裁判・審判のやり方も進化するのです。当時、法改正の担当だったのでとても懐かしく思い出しました。(*^_^*)

内容は、放送大学の放映をお楽しみに。<(_ _)>

<特許庁>

特許庁はどこにあるでしょう?(*^_^*)

答えは、霞ヶ関ビル、首相官邸、米国大使館の近くです。最寄り駅は、虎ノ門、溜池山王、霞ヶ関です。(*^_^*)

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今回、特許庁のロビー風景、方式審査、商標の検索、特許の検索と起案の様子を撮影させて頂きました。出願・審査手続の流れと共に、電子政府としての特許庁をお見せしたいと思います。(*^_^*)

多くの特許庁の職員の方に御協力を戴きました。心から御礼申し上げます。こちらも放映をお楽しみに。<(_ _)>

<特許庁は電子政府の先駆者>

特許庁では、世界に先駆け1984年よりペーパーレス計画を推進し、1990年12月から特許、実用新案に係る電子出願の受付を開始しました。

2000年1月に意匠、商標の出願手続、査定系審判手続及びPCTの国内段階移行後の手続、2004年4月にPCT国際出願の国際段階の手続に関する手続きについても電子出願の受付を開始しました。

2005年10月3日、インターネットによる特許電子出願のオンライン受付を開始し、同時に、電子現金納付による手数料支払いも利用可能とし、受付時間も24時間に延長しました。

2007年1月より、国際段階の出願手続きもインターネットで受け付け可能としています。

インターネットにより可能となる手続きは、特許、実用新案、意匠および商標の出願関連手続、審判手続および特許協力条約に基づく国際段階及び国内段階の出願関連手続です。

2005年10月の時点で、特許出願のオンライン化率は約97%に及んでおり、特許庁がオンラインで受付している申請の総件数は年間で約300万件にのぼるそうです。

日本の特許庁は世界でも先進的な電子政府なのです。(*^_^*)

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広島の地域ブランド2

<広島商工会議所>

22日(火)の午後、広島商工会議所で「広島の地域ブランドと文化産業戦略」というタイトルで講演させて戴きました。

お話を聞いてくださったのは、広島地域の大企業30社の経営者の方々でした。

知的財産、文化産業、地域ブランドのお話を、皆様、大変熱心に聴いてくださったのて感激しました。(*^_^*)

午前中に広島市内を見学し、その時の印象も講演の中でお話しさせて戴くことになっていました。

そこで、「万国博覧会の果たした役割」、「日本デザインの遺伝子展」の次に、東京都現代美術館で『明日の神話』を拝見したときの感想を交えてお話しました。

<広島市内の私の印象>

「広島市内を見学させていただき、広島は世界有数の芸術を収蔵する美術館があることに驚きました。また、修学旅行生や外国からの旅行者がたくさん来られる都市であることが分かりました。

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広島は平和への祈りの都市となっていると感じましたが、未来への明るく力強い希望をはっきりと感じさせる象徴を見つけることができませんでした。これが本当に残念に思いました。

先日、東京・木場の東京都現代美術館で『明日の神話』のオープニングセレモニーが開催され、初めて『明日の神話』を拝見しました。

原爆の悲惨さと同時に、これに屈しない人間の強さと未来への希望や生命力を感じ、芸術の力に圧倒されました。

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現在、多くの都市が『明日の神話』の誘致運動をされているそうですので無責任なことは申し上げられませんが、『明日の神話』が広島にあれば、芸術が地域資源になる好例になるだろうと思います」とお話しました。

<芸術が地域資源になる時代>

深く頷いて下さる方も多かったと思います。

講演直後、「この講演と同じ時間帯に、広島市長に『明日の神話』を招聘するように要望書を渡しているところです。この講演会があるから、自分は市長室に行かなかったが・・・。同時刻に、広島の企業経営者たちにこの話をされた御縁に驚いた。」と教えて頂きました。

私も、本当に驚きました。(O_O)

5月23日(水)の日本経済新聞(朝刊全国版)の第39面のコラム「窓」が市長への要望書の提出を報道されています。同日の同紙40面の「私の履歴書」には、新藤兼人・映画監督が「原爆の子」の撮影について書いておられ、コラム「窓」との偶然を感じました。<(_ _)>

最終的に『明日の神話』がどの地域に嫁がれるかは分かりませんが、芸術が地域を支える時代が到来していることは明らかです。

地域ブランドの根源が「芸術」となるケースは増えるでしょう。o(^-^)o

「絵画」はもちろん、「小説」や「映画」にも地域資源となる強い力があります。人間が一生懸命に創造した成果である「知的財産」の力は凄いですね。(*^_^*)

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広島の地域ブランド

ここから今週のお話です。今週は、広島出張と放送大学のロケで追われていました。<(_ _)>

<広島の地域団体商標>

月曜日の授業後、広島に飛行機で行きました。夜9時過ぎにホテルに到着したのですが、夜の移動は市内の様子が見えないのが残念ですね。(*^_^*)

そこで、ホテル内のレストランに飛び込んでメニューを拝見しました。最近、各地域のホテルは地場の食材を使う傾向が強くなっています。レストランのメニューは地域ブランドを確認するのに大変参考になります。(*^_^*)

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気がついたことは、広島は酒の宝庫であること。日本酒、焼酎などたくさんの種類がありました。また、レモン、はっさく、みかんなどのシトラス類が多いことでした。

「広島の酒」、「広島みかん」、「広島はっさく」は地域団体商標が登録されていることを改めて納得した次第です。

<広島市内>

火曜日は朝から、広島市内を見学させて頂きました。

広島市は美術館が大変多い都市です。ひろしま美術館広島市現代美術館広島県立美術館など、素晴らしい作品が揃っています。(*^_^*)

とりわけ、ひろしま美術館は有名画家の作品の宝庫で驚きました。貸出中作品の一覧を御覧になると驚かれると思います。<(_ _)>

広島市現代美術館の前には、広島市立マンガ図書館がありました。こちらも拝見して来ました。<(_ _)>

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原爆ドーム、広島平和記念資料館、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館も拝見しました。

外国からの訪問客が多いためと思いますが、これらの施設の言葉に対する配慮の充実に改めて驚かされました。

広島平和記念資料館の「音声ガイド」の外国語の種類の多さを御覧下さい。

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また、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の「遺影の検索システム」は、日本語、日本語子供用(ひらがな)、英語、中国語、韓国語のパンフレットを右のホルダーに差し込むとその言語で検索できる優れものでした。

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広島商工会議所での講演と放送大学のロケ(知的財産高等裁判所と特許庁)のお話は次回にて。(*^_^*)

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自民党の「知的財産推進計画2007」への提言

大変ご無沙汰しておりました。先週は多数の会議が続き、今週は広島出張と放送大学のロケに追われていました。<(_ _)>

そこで、まとめて御報告させて下さい。(*^_^*)

<知的財産戦略調査会>

先週のお話です。5月17日(木)の朝8時から、自民党本部・知的財産戦略調査会において「知的財産推進計画2007」の策定に当たっての提言案が検討されました。勉強のため、傍聴させていただきました。

追加項目の指示など、調査会の議論は大変活発でした。(*^_^*)

国会議員の先生方の横の席に座らされたのでかなり緊張しました。知財人材が足りないと御指摘される議員が多かったので、まるで叱られているような気がしました。(^_^;)

以下、提言の確定版から引用させていただきます。

<前文(こちらは全文)>

これまで、我が党主導の下、知財立国実現に向けた種々の改革を進めてきた。2003年から2005年までの3年間は知財政策の「第1期」として、知財に係る制度や体制の整備に努めてきたが、2006年からの3年間は、世界最先端の知財立国を目指し、これまでの取組みの実効を上げるとともに、新しい課題に対応していく「第2期」と位置付けられる。

知財戦略は、生産性向上、成長力強化に不可欠であり、絶え間のないイノベーションを創造していくために重要な役割を果たす。

また、我が国の魅力を海外に発信していくためにも、映画、アニメなどのコンテンツやファッション、地域ブランド、食などの日本ブランドの振興が不可欠である。

自由民主党知的財産戦略調査会は、「第2期」の折り返しの年に当たって、以下を提言する。

<内容(こちらは項目のみ)>

1.文化創造国家づくりに向けた改革
(1)コンテンツの創作・流通の促進
(2)コンテンツや日本ブランドの海外発信の強化

2.知財政策の国際的展開の推進
(1)模倣品・海賊版対策の強化
(2)世界特許の早期実現
(3)国際標準化活動の強化
(4)アジア地域における知財制度の整備と協力の促進

3.特許審査の迅速化

4.企業のライセンス活動の円滑化

5.中小・ベンチャー企業と地域への支援

6.知財人材の充実

7.迅速かつ適切な紛争処理の実現

8.国民の意識改革

9.知的創造サイクルの好循環のさらなる拡大

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特許の演習授業2

以前のブログで御報告したとおり、今月は私にとって「拒絶理由通知を作る月」です。

連休明け以来、院生さんが作成した明細書と図面に対して、IPDL(特許電子図書館)でサーチして、拒絶理由通知書を起案しています。

皆さん、大発明をされました。(*^_^*)

土曜日の授業で数件の明細書に対して拒絶理由通知を御説明をしましたが、正直な話、なかなか良い先行技術が見つからず困りました。来週はもっと頑張りますね。(*^_^*)

来週以降も、拒絶理由通知を作成する日々が続きます。今月は、出張先でもパソコンとIPDL(電子図書館)から縁が切れない生活が続きます。<(_ _)>

どんな場合でも、自分が一生懸命に考えた発明に対して「拒絶理由通知」をもらうことはある意味で大きなショックだと思います。

自分の発明や著作物に対する感情は、人間の自我の中心に近い場所にあることを実感としていただくことを期待しています。<(_ _)>

演習授業を通じて、発明者や創作者の心情に配慮できる知財関係者に育ってくださればと願っています。(*^_^*)

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放送大学の教材の収録開始

<近況報告>

ご無沙汰して、大変申し訳ありませんでした。1週間ぶりのブログ更新となりました。<(_ _)>

放送大学の教材収録が徐々に始まり慌しくなってきました。少し具体的にお話します。

8日(火)の午前は、六本木ヒルズで「ソールワーク」の古野社長へインタビューさせて頂きました。ソールワークについては、以前ブログで御紹介しました。<(_ _)>

古野社長、スタッフの皆様、朝早くからありがとうございました。インタビューは、この洋服の陰のソファーで行われました。

内容は放送をお楽しみに。来年の4月から放映予定です。(*^_^*)

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8日午後は、内閣官房 知的財産戦略推進事務局にお邪魔しました。

現在、「知的財産推進戦略2007」の策定中で大変に御多忙のところでしたが、快く取材を引き受けて下さいました。心から御礼申し上げます。

知的財産戦略推進事務局は首相官邸のすぐ横にあります。左が首相官邸、右が事務局が入っている内閣官房の建物です。

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9日(水)の午前は、神奈川県のシコー技研にお邪魔しました。

この会社は、アメリカからインテルの幹部がパソコンのファンモーターを直接注文しに来日した話で有名です。

その後、携帯電話の振動モータなど、画期的な製品を作り続けています。

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9日午後は、神奈川科学技術アカデミー(KSP)の光触媒ミュージアムを訪問しました。

村上武利館長から日本生まれの日本育ちで世界の環境に貢献する「光触媒」についてお話を伺いました。

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<放送大学のスタッフ>

以下の写真は、放送大学のスタッフの皆様です。多くの親切なスタッフに支えられて収録が行われています。<(_ _)>

女性のサブディレクターが美人です。(*^_^*)

同時並行で、収録のための打ち合わせが続いています。関係者の皆様、いろいろとありがとうございます。<(_ _)>

ハイビジョンで撮影されているそうです。きっと、しみ、そばかすまで良く映っていることでしょう。(^_^;)

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METライブビューイング2

<6作品目(昼間)は完売>

今年の元旦にお伝えした「METライブビューイング」の6作品目となる「プッチーニ 三部作」の上映が5月3日に銀座で行われました。「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」という3つの小作品からなるオペラです。

オペラのデジタル配信の話を復習しましょう。(*^_^*)

米国のニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)で上演されたオペラを、欧米(米国、カナダ、イギリス、デンマーク、ドイツ、ノルウェイ、スウェーデン)には衛星中継で映画館で生放送で上映するプロジェクト(Live in High-Definition)を言います。

日本では、映像と音響データの質を重要視したため、海底光ファイバーで伝送して(今期は時差を考慮して)、劇場や映画館でデジタル上映するプロジェクト(METライブビューイング)と言います。日本の観客の要求する質は、工業製品も同様ですが、世界で一番厳しいようです。

このプロジュエクトは、今期だけで50万人を越える方が鑑賞して大成功しました。日本でも「三部作」の昼間の部のチケットが完売となったそうです。

写真は入り口のたて看板ですが、なぜか知らない方がポーズを取って下さったので写真を撮らせていただきました。御支障がありましたら御一報下さいませ。<(_ _)>

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<歌舞伎とオペラ>

昨年は歌舞伎を勉強させていただき、今年はオペラを勉強しています。共に、400年の歴史を持つ芸能で、歌、踊り、物語の要素が入っています。

オペラを拝見してつくづくと思うことは、欧米のコンテンツがこれだけ日本人に感動を与えるなら、日本のコンテンツも大半は理解されるのではないかということです。

松竹大谷図書館で、昔の米国の新聞記事を調査していたとき、米国人に一番感動を与えた歌舞伎の演目は「親子の別れの物語」だったという記事がありました。

人間の感情は民族の差は多少あるかもしれませんが、共通する部分が大きいと思います。

私は、このMETライブビューイングという米国の新しい文化産業のビジネスモデルが、日本の芸能を海外に発信するときに参考になるのではないかというスタンスで勉強させていただいています。

日本のコンテンツの輸出モデルを真剣に考える時期に来ていると思います。外貨を稼ぐためにだけではなく、日本人の心情を分かっていただくことが未来の日本を守る「ソフトパワー」に繋がると思います。<(_ _)>

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KSR事件・米国最高裁判決

<米国最高裁の夏休み>

たまには堅い判決のお話を・・・。<(_ _)>

米国・最高裁判所は7~10月は夏休みであるためか、休み前に「グロクスター事件」などの大物判決を言い渡す傾向があるように思います。(*^_^*)

したがいまして、この時期に原稿依頼があると煩雑に米国判決のスケジュールに合わせてウォッチングしています。大きく事態が動くことがあるためです。

過去、何度か泣かされました。<(_ _)>

<KSR事件:KSR International Co. v. Teleflex Inc., U.S., No.04-1350>

2007年4月30日、「非自明性」に関する待望の判決が言い渡されました。KSR事件の最高裁判決です。

KSR事件とは、2002年にミシガン東部地区連邦地裁に提訴された「自動車用の調整ペダルアセンブリ」に関する特許(6,237,565B1)侵害訴訟で、原告はTeleflex Inc.(米国)で、被告はKSR International Co.(カナダ)です。

被告のKSRは、本件特許は非自明性の要件を欠くと主張して、特許無効を求めて略式判決(summary judgment)を地裁に申し立てました。

地裁は「本件特許は、調整ペダルアセンブリと位置センサーという2つの公知技術の自明な組み合わせ」と判断しました。

そこで、特許権を否定された原告TeleflexはCAFC(連邦巡回控訴裁判所:特許などを専門にする米国の高等裁判所)に控訴しました。

2005年1月6日、CAFCは「地裁が採用した自明性の判断基準は誤り」と原判決を取り消しました。

そこで、2005年4月6日、被告KSRは「CAFCの自明性に関する判断基準」に異議があると最高裁に上告請求し、上告受理されました(受理されなければ判決は出ません)。

そして、2007年4月30日にKSR事件の米国連邦最高裁判決が出され、CAFCが行ってきたTSMテストの適用は、特許法及び最高裁判決に抵触するとされました。

<TSMテスト:teaching, suggestion, or motivation test >

争点となったCAFCの判断基準である「TSMテスト」とは何でしょう?(*^_^*)

自明性を理由として特許無効とするには、先行技術中に教示されている事項から、特許クレームで特定された組み合わせを「教示(teaching)」、「示唆(suggestion)」、「動機付け(motivation)」する記載が存在していなければならないという考え方です。

つまり、公知技術を組み合わせる教示、示唆や動機が開示されていれば、公知技術に基づきクレームは自明であると判断するものです。Graham v. John Deere Co.判決で示されました。

今回の米国最高裁判決は「自明性の判断においては、「特許権者」にとって組み合わせが自明か否かではなく、「当業者」にとって自明か否かで判断しなければならない」としました。

また、「公報や特許に記載された事項を重要視しすぎてはならず、例えば科学文献などによりその方向性を把握することができる。そして、当該分野で知られているか、特許に記載されている必要性や課題に基づいて、組み合わせができるか否かを判断しなければならない」と判示しました。

さらに、「発明を取り巻く知的探索や最近の技術の多様性を見ると、(自明性に関する)分析を制限することは適切ではない。多くの分野において、手法や要素の組み合わせについて、その自明性を問う議論はほとんど行われていないし、開発の方向性を決めるのは、論文よりもニーズである場合が多いだろう」とも最高裁はコメントしました。

今後、米国の連邦地方裁判所や連邦巡回控訴裁判所の判決は変化すると予想されます。注目点ですね。(*^_^*)

<日本の進歩性への影響>

私見を申し上げれば、日本の進歩性の審査基準はもともと「当業者」に基づくものですから、今回のKSR事件・米国最高裁判決と大きな齟齬はないと思います。

反対に、先行技術に教示、示唆、動機付けが書いていないにも関わらず「進歩性」を否定する場合は、市場のニーズや開発動向など、出願時点における当業者の技術的認識を明らかに示せという指摘とも考えられます。

ユーザーからは、米国は甘すぎる、日本は少し厳しすぎるという声も聞こえます。世界特許の構築に向け、「非自明性と進歩性」の判断はますます重要になっています。

今後の世界中の判決が待たれますね。(*^_^*)

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