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美しい日本の粋(すい)

<文化産業>

2006年9月29日、安倍総理は、所信表明演説で「アニメや音楽などのコンテンツ、食文化や伝統文化などについて、国際競争力や世界への情報発信力を強化する「日本文化産業戦略」を策定します。 」と述べられました。

当時、私は9月30日が締め切りの「文化産業を育成する知的財産に関する調査研究」を執筆していたので、この施政方針演説の内容にびっくり仰天しました。どうして「文化産業」という言葉を使うのだろうと思いました。(^_^;)

「文化産業」という用語は、1947年のフランクフルト学派によって初めて使用されたものです。この思想の源流は、「芸術性と利便性」を理論化したウイリアム・モリスと「ほんものへの評価と待遇論」は「固有価値の経済学」として理論化したジョン・ラスキンです 。

所信表明演説を聴いて、この「文化産業戦略」に密接不可分に関係するものが、「美しい国、日本」に関する箇所だと思いました。

<所信表明演説>

「美しい国、日本」については、「私が目指すこの国のかたちは、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、世界に開かれた、『美しい国、日本』であります。」、

「日本を、世界の人々が憧れと尊敬を抱き、子どもたちの世代が自信と誇りを持てる『美しい国、日本』とする」、

「この『美しい国』の姿を、私は次のように考えます。一つ目は、文化、伝統、自然、歴史を大切にする国であります。二つ目は、自由な社会を基本とし、規律を知る、凛とした国であります。三つ目は、未来へ向かって成長するエネルギーを持ち続ける国であります。四つ目は、世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国であります。」

と述べられています。

「美しい国づくり」企画会議

続く2007年1月26日の施政方針演説では、「我が国の理念、目指すべき方向、日本らしさについて、我が国の叡智を集め、日本のみでなく世界中に分かりやすく理解されるよう、戦略的に内外に発信する新たなプロジェクトを立ち上げます」と述べられました。

これを受け、2007年4月3日に、日本画家の平山郁夫氏を座長とする有識者12 名と、内閣官房長官及び内閣総理大臣補佐官を加えた「美しい国づくり」企画会議の第1 回会議が開かれました。

そして、「美しい国づくり」プロジェクトが立ち上がりました。

これに先立ち、2007年3月23日に、企画会議での提言、意見等を受け具体的な企画及び事業を推進するため、内閣官房に「美しい国づくり」推進室が設置されました。

<美しい日本の粋>

2007年4月20 日~6月22 日の間、「美しい国づくり」プロジェクト第一弾の公募「美しい日本の粋~伝えたい私たちの美しさ~」として、自然、文化、芸術、伝統、技術、さらにはその中にある気質や感性など、あらゆるものを対象に、失ってしまったものも含め、なくしてはいけない日本“らしさ”や日本“ならでは”のものを広く募集していました。

2007年5月30日に発表された中間報告を拝見して、かなり興味を持ちました。歴史資源、地域資源、コンテンツ資源など、文化産業の基盤とかなりの部分が重なるからです。(*^_^*)

注目すべきは、男女別応募数で、男性が64.6%、女性が34.7%、不明が0.7%と男性の積極的な回答が多く、40歳代、50歳代の回答が多い点です。

「知財立国」、「観光立国」への影響も大きいと思います。最終報告書が楽しみですね。o(^-^)o

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