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2007年10月

再生医療と特許

<脳梗塞治療研究プロジェクトの進捗と産学連携>

NHK総合の「NHKスペシャル」で、再生医療技術に基づく「札幌医科大学の臨床研究」を取り上げるそうです。

11月5日(月) 午後10時~午後10時49分

NHK総合:『眠れる再生力を呼びさませ ~脳梗塞・心筋梗塞治療への挑戦~(仮)』

是非、御覧下さい!o(^-^)o

<再生医療と特許>

番組の内容は、脳梗塞発症の初期段階であれば、発症後でも治療できることを実証したものだそうです。その背景には、骨髄由来の幹細胞の細胞培養が3週間程度で可能にする技術があり(通常は6~7週間)、既に特許を取得しています。

このビジネスモデルと特許取得で活躍されたのが佐々木信夫さんです。特許庁の特許技監を退職後、故郷の札幌市を拠点に活躍されています。(*^_^*)

余談ですが、私が特許庁の審判部書記課(現:審判課)の課長補佐だったときの審判部長(その後、特許技監)が佐々木さんでした。ちなみに、特許庁長官は荒井寿光さんでした。<(_ _)><(_ _)>

<医療方法特許の審査基準改正>

2003年8月7日、「人間を手術、治療又は診断する方法」の審査基準が改訂されました。

改正経緯は、2002年7月3日、知的財産戦略会議が示した「知的財産戦略大綱」にて「再生医療、遺伝子治療関連技術の特許法における取扱いの明確化」をすべきとの指摘を受けたためです。これを受け、2002年10月以降、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会医療行為ワーキンググループが設置され審議が重ねられ、審査基準が改正されたのです。

しかしながら医療方法特許を認める範囲はまだまだ限定的であるという指摘もあり、かつ医療方法特許の権利主張の制限や医師の特許侵害免責などを含めて国民的な議論がまだまだ不足していると指摘されています。

この機会に医療方法特許について考えていただければと願います。<(_ _)>

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山田洋次監督とシネマ歌舞伎

<シネマ歌舞伎とソニーの最新鋭CineAltaカメラ>

19日(金)は新橋演舞場で「連獅子」と「人情噺 文七元結(ぶんしちもっとい)」をシネマ歌舞伎にする撮影を取材させて頂きました。

撮影カメラはソニーの最新鋭のF23というデジタルシネマカメラなど7台が使用されました。このカメラにはS-log(SONY log)という新機能があり、諧調表現の能力が飛躍的に改善されました。例えば、歌舞伎の女形の白塗りの顔がときどき照明で飛ぶなどの従来の難問をほぼ完璧に解決できるようになったそうです。

シネマ歌舞伎の製作者はこの点に特に注目し、テストを実施した上で、最新鋭カメラをいち早く導入することを決定しました。世界中で130台ほど販売されているそうですが、日本ではまだ10台もないため、 日本中からかき集めての撮影となりました。

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最新の2/3型プログレッシブ3CCDや14ビットA/Dコンバーターを搭載するなど、最新のデジタル技術を駆使し、より細かな階調を表現できる高画質を実現し、RGB4:4:4撮影対応により、CGとの親和性も高く、多様な合成処理を必要とする映画やCMの撮影で威力を発揮できるとのこと。<(_ _)>

今回の撮影は、ソニーPCLチームが技術を担当したそうです。(*^_^*)

モニター室では7台のカメラから送られる映像に近森眞史撮影監督が指示を出されていました。o(^-^)o

モニターの後方は機材とケーブルだらけでとても撮影できませんでした。<(_ _)>

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下記は、放送大学のスタッフが、ソニーのデジタルシネマカメラを収録しているところです。最新鋭のデジタルシネマカメラをハイビジョンカメラが撮影するという面白い構図でした。(*^_^*)

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シネマ歌舞伎は最新鋭のデジタル技術と音響技術が支えているので進化し続けています。芸術と最先端技術のコラボレーションが面白いと考えます。<(_ _)>

<山田洋次監督>

初めてお目にかかりましたが、非常に率直で優しい方なのでとてもリラックスしてお話できました。打ち合わせの風景です。<(_ _)>

今回、「文七元結」では台本改訂と演出(補綴)をされています。山田監督が歌舞伎はもちろん、舞台の演出をされるのは初めてのことです。そして同時に、「連獅子」と「文七元結」のニ演目のシネマ歌舞伎化の監督もされているのです。

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山田監督にお伺いした事項は以下の2つです。。

①NYの国際映画祭でシネマ歌舞伎を初めて御覧になったときに「シネマ歌舞伎は新しいメディア」とご指摘されたと聞いておりますが、どのような点が新しいと感じられたのですか?

②生の舞台の臨場感の再現には何が必要だと考えられますか?

インタビューの撮影風景です。山田監督のお答えは放送大学の放映をお楽しみに。(*^_^*)

山田監督は、「一瞬で本質を見抜く鋭い直観力」と「ものごとの本質を解き明かす論理的な思考力」と「素人にも分かるように説明できる表現力」を兼ね備えた方と改めて尊敬しました。<(_ _)>

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知財ビジネスマッチングフェア2007

<インテックス大阪>

18日(木)は、日本で二番目に大きいと言われるコンベンションセンター「インテックス大阪」に行って来ました。

大阪港の近くで、「海遊館」などの施設が近くにあるそうです。

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<地域ブランドづくり、実践と戦略>

特許庁、近畿経済産業局、近畿知財戦略本部の主催の「知財ビジネスマッチングフェア2007」という催し物で、㈱ブランド総合研究所 代表取締役社長の田中章雄氏、大阪タオル工業組合 理事長の重里(じゅうり)豊彦氏、長艸刺繍工房代表の長艸(ながくさ)敏明氏とパネルディスカッションをさせて頂きました。

ブランド総合研究所の田中社長の会社が発信されている地域ブランドNEWSのメルマガは最新のニュースを教えてくれます。メルマガ登録されると大変便利だと思います。o(^-^)o

重里社長たちが取り組んでいるアトピーや環境に優しいタオルの製造方法は、2007年10月10日に日本経済新聞で紹介されています。自社の特許を含めたノウハウを公開し「泉州タオル」ブランド確立に取り組んでいるそうです。<(_ _)>

長艸さんの色に関するお話が面白かったです。ヨーロッパ滞在中に着物に刺繍する糸の色合わせをし、帰国後にその配色を確認したら自分自身でも驚くようなおかしな配色だったとのこと。日本の自然や町並みにある色合いが「日本の色」を作っているのですね。(*^_^*)

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専門調査会の議事録がアップされました

<東京藝術大学の宮田学長の御発言>

2007年9月28日(金)に開催された「コンテンツ・日本ブランド専門調査会」の初会合の議事録が知的財産戦略本部のHPにアップされました。

私は東京藝術大学の宮田学長の後に発言させていただきました。宮田学長が素晴らしいことを話されていました。

「全く無から有を生むのはなくて、日本人の持っているすばらしい知的なもの、それから誇らしさ、頭脳、そういうものをもう一度、皆さんこういう親会議の中で、それぞれの先生方が各分野を細分化されるのではなくて、集合したり融合したり合体したりすることが大きな日本の文化力というものではないかということで、一つの言葉として「江戸に帰ろう」」と・・・。(*^_^*)

本当にそのとおりと思います。<(_ _)>

<私の発言>

続いて、大学で教えている者から発言させていただきました。<(_ _)>

①東京理科大学の知財専門職大学院はコンテンツ分野でも役に立つ人材を養成している点。

②文化が資本として役に立つ時代が到来したことが地域ブランドの根源にあり、ファッションとか食も同様である点。

③芸術や和柄などの日本文化を日本人が活用していないというのがとてももったいない点。

④これまでに地域団体商標が280件も登録があったというように、また「中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律」らの応募内容をみると地域のやる気が非常に大きくなっている点。

⑤農水省が「食と農林水産業の地域ブランド協議会」を発足するなど、農林水産業の方々に知財を活用する機運が出始めている点。

⑥知財教育は、著作権法があるからコピーが禁止と教えるのではなく、人が一生懸命つくった作品であるからコピーを勝手にしてはいけないと本筋から教えることが重要と考える点。

⑦日本は芸術と科学技術が優れているが法制度が遅れているのでどんどん改善するべきという点。

⑧政府としてさらに日本ブランドの構築が重要ということを再度重ねて発信するべきという点。

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白山菊酒のロケ風景

<石川県白山市>

10月16日(火)に金沢入りし、17日(水)は朝7時半から清酒「天狗舞」で有名な車多酒造さん(下記の写真)で「仕込み」の様子を収録させていただきました。白山を取材したのは、清酒で、唯一、地名が保護されているのが白山だからです。<(_ _)>

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宜しかったら以前のブログ(「白山菊酒」と「地理的表示による日本酒の保護」)を御参照下さい。<(_ _)>

国税庁はぶどう酒、蒸留酒、清酒に関する「地名」を「酒税の保護及び酒類業組合法に関する法律」で保護しています。現在、焼酎では「壱岐」、「球磨」、「琉球」、「薩摩」、清酒では「白山」の地名が保護の対象です。(*^_^*)

<保護の内容>

国税庁が管轄する法律はTRIPS協定の「追加的保護」と同じレベルです・・・と言ってもちょっと難しいですね。(^_^;)

「風」や「型」などの表現を付け加えてもこれらの「地名」を使用することはできないという強力な保護なのです。具体的には、長崎県壱岐市以外で造られた焼酎に「壱岐」という表示をすることはできませんし、「壱岐風」という表示も認められません。

<酒の種類による保護の違い>

TRIPS協定は「ワイン」と「蒸留酒」については特別に「追加的保護」をしています。したがって焼酎は蒸留酒であるのでTRIPS協定により国際的に保護されます。

清酒はワインでも蒸留酒でもないためにTRIPS協定による追加的保護を国際的に受けることができません(国内では前述の法律で保護されています)。

そこで、白山の関係者及び国税庁など日本政府はTRIPS協定に清酒を組み入れるよう働きかけているところです。

<ロケ風景>

車多酒造の中三郎さんという超有名な(漫画の美味しんぼにも登場されています)杜氏さんに仕込みの様子を取材させて頂きました。

朝8時前に蒸し上がる酒米を冷ました後、酵母を振り掛ける作業を録画させて頂きました(下記の写真が中さん)。

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中さんが仕事を通じて後輩たちに日本酒の作り方を教える様子は暗黙知の伝承そのものでした。

いつもながら、徳田耕ニ常務取締役にも大変お世話になりました。<(_ _)>

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「天狗舞」が世間に高く評価される理由は、ものづくりに対する真摯な取り組みが存在するからと痛感しました。<(_ _)>

その後、金谷酒造の金谷芳久代表取締役にインタビューをさせて頂きました。御多忙の中、ありがとうございました。<(_ _)>

<今週>

10月18日(木)は大阪のインテックスで地域ブランドのパネルディスカッションを行います。宜しかったら、近郊の皆様、是非、お越し下さい。<(_ _)>

19日(金)は東京・新橋演舞場で『連獅子』と『人情話文七元結』の舞台監督(補綴)とシネマ歌舞伎の監督をしている山田洋次さんに日本ブランドに関するインタビューを行います。ご報告は後日。(*^_^*)

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シンポジウム「著作権保護期間延長の経済効果 - 事実が語るもの」

<最近の活動>

大変ご無沙汰しております。<(_ _)> 先生、最近、何をしているのですかと院生たちに叱られました。(^_^;) 

以下、簡単に御報告します。<(_ _)>

◎放送大学の印刷教材

印刷教材(テキスト)の仕事で9月末まで締切に追われる日々を送っていました。(T_T)

今後は放送教材の台本作りが課題ですが・・・。<(_ _)>

◎東京理科大学知財専門職大学院の後期

今年から、パリ条約、特許協力条約(PCT)の講義も5回分担当することになりました。初めての講義は講義時間の10~20倍が準備時間が係りますね。(^_^;)

◎外部の会議と研修

JICA・APEC研修(9月19日)、放送大学ロケ(9月20日)、三重県「地域団体商標」にかかる職員勉強会(9月21日)、著作権保護期間問題シンポジウムの打ち合わせ(9月25日)、放送大学のスタジオ撮影(9月26日)、農林水産研修所 生活技術研修館の「知的財産基礎研修」(9月27日)、関東経済産業局の「地域産業資源活用事業評価委員会」の審査会(9月27日)、知財戦略本部のコンテンツ・日本ブランド専門調査会(9月28日)、プロジェクト研究(9月28日)、新学期の授業開始(9月29日)・・・と楽しくハードルを飛んでいました。こちらは全く問題は無いのです。o(^-^)o

いやぁ~、一番堪えたのは放送大学の印刷教材でした。(T_T) 

<シンポジウム「著作権保護期間延長の経済効果 - 事実が語るもの」>

本日の本題です。是非、皆様、ご参加くださいませ。<(_ _)>

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趣旨
著作権保護期間の延長の是非を考えるとき、議論の前提条件として確かめておくべきことがある。著作権保護期間を延長するとどれくらい著作者の収益が増えるだろうか。パブリックドメイン化したときの利益はどれくらいあるのだろうか。保護期間を伸ばすかどうかの二者択一以外の解決方法はないのだろうか。これらの問いは賛成にしろ反対にしろ確かめておくべきことである。そうした問いに対し、できるだけ客観的な資料と論理を踏まえて議論することを試みる。

日時:2007年10月12日(金) 午後4:00~8:30

第一部 4:00~5:30 数量分析
  「著作権の最適権利期間決定モデル-価格差別とコースの推論を考慮して」
    中泉拓也(関東学院大学経済学部 准教授)
  「書籍のライフサイクルの計量分析」
    田中辰雄(慶應義塾大学経済学部 准教授)
  「保護期間延長は映画創作を刺激したのか」
    中裕樹(慶應義塾大学経済学部)・田中辰雄

第二部 6:00~8:00 事例分析・制度研究
  「本の滅び方」  丹治吉順(朝日新聞Be編集部)
  「シャーロック・ホームズから考える再創造」
    太下義之(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 
         芸術・文化政策センター長)
  「EUの保護期間延長の事情」
    酒井麻千子(東京大学大学院・情報学環・学際情報学府)
  「デジタルはベルヌを超える:無方式から自己登録へ」
    林紘一郎(情報セキュリティ大学院大学 副学長、発起人)

第三部 8:00~8:30 フリーディスカッション
  「文化の振興のための制度設計」

<総合司会>
生越由美(東京理科大学専門職大学院 教授)

<コメンテーター>
安念潤司(成蹊大学法務研究科(ロースクール) 教授)
長岡貞男(一橋大学 イノベーション研究センター教授、センター長)
中山一郎(信州大学法科大学院 准教授、発起人)
矢崎敬人(工学院大学グローバルエンジニアリング学部 講師)

(以上順不同・敬称略)

※各発表者は、10月以降フォーラムHPにて論文を事前公表する予定です。

場所:慶應義塾大学 Global Studio(三田キャンパス東館6F・約120席)
http://www.keio.ac.jp/access.html
山手線・京浜東北線 田町駅8分
都営浅草線・三田線 三田駅7分
都営大江戸線 赤羽橋駅8分

【入場無料・申込先着順】
※終了後、自由参加の懇親会(有料:3000円前後)を予定。毎回満席の、公開
トーク必修課目です。
申込みはこちらから→ http://thinkcopyright.org/resume_talk05.html

主催:著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム
   慶応義塾大学DMC機構(http://www.dmc.keio.ac.jp/
   コンテンツ政策研究会(http://contents-policy.net/
企画:「保護期間延長の経済効果」研究会

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今後とも、どうか宜しくお願い申し上げます。<(_ _)>

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