2-4.コンテンツ資源(アニメ、映画、歌舞伎など)

映画館でなぜ歌舞伎

<日本経済新聞のエコノ探偵団>

2009年7月19日(日)の11面の記事がとても面白かったです。(*^_^*)

「映画館でなぜ歌舞伎」と題して、日本を代表するODSを一挙紹介してくれました。シネマ歌舞伎(松竹)、ゲキ×シネ(ヴィレッジ)、ライブスパイア(ソニー)などのインタビュー記事がありました。

ODSとは「Other Digital Stuff」の略称で、歌舞伎やお芝居やコンサートやスポール中継などをデジタル映像化して映画館などで上映することを言います。<(_ _)>

<越前市提供の牡丹灯篭>

写真は東劇の入り口です。東劇ではODSの一つであるシネマ歌舞伎の「怪談 牡丹灯篭」が上映されています。

写真左の「牡丹灯篭」は福井県越前市から寄贈された「越前和紙」で製作されたものです。

とても綺麗です。o(^-^)o

越前和紙とは、今から1500年前から伝わる技術だそうで、種類の豊富さ、表面の滑らかさ、均一性、紙厚がしまった紙です。越前市のパンフレットも並んでおりますので、是非、この機会に御覧下さい。<(_ _)>

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<ODSが期待される理由>

シネコンの乱立で映画は過当競争に入り、一人当たりの単価は1200円近くに下がっているそうですが、ODSは2000円以上の単価が多いと記事は紹介しています(たしかに、短い作品は1000円のものがあります)。このように、利益率が高いため期待が大きいようです。

他方、東京、大阪を除けば、観客動員が難しい公演も多いので、映画館で上映することは地域のファンを開発する好機ともなります。

<ODSの技術標準>

いろいろなODSの撮影や編集現場、上映を拝見していますが、近年、「映像」の技術標準の問題が発生しているように思います。

日本の国際競争力の観点からは、優れた映像を表現できる、どの映画館のプロジェクターでも上映できるような技術開発が重要と思います。

ソフト(ODSのコンテンツなど)と共にハード(プロジェクター、サーバー)が世界で売れますので・・・。o(^-^)o

レクサスのビジネスモデルに象徴されるよう、世界最高レベルの商品やサービスの供給が日本に期待されているのだと思います。(*^_^*)

<ODSの今後>

現在、さまざまな映像・音響レベル、内容のODSが並存しています。今後も映画よりも高い単価を維持したいなら、上映時間が長いだけではなく、映像と音響のレベルが通常のデジタルシネマよりも高いなどの付加価値の明示が要求されるのではないでしょうか。(*^_^*)

近年、ODSへの参入が急激に拡大しておりますし、3Dなどの別次元のライバルも誕生しています。(^_^;)

今後は、ODSにも価格競争が巻き起こることが予測されます。生き残りの要は付加価値です。今のうちに、ビジネスモデルを構築して下さいね。<(_ _)>

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「国立メディア芸術総合センター(仮称)」構想に賛成します!(*^_^*)

戴いたコメント

「文化庁が行っている「国立メディア芸術総合センター(仮称)」構想についてどう思われますか? マスコミは国立漫画喫茶といって批判をしていますが、あまり深い議論はされていないのが現状のようです。日本におけるコンテンツ産業の地位向上にもつながる政策という考え方もできるので、もっと積極的に評価していってほしいなと個人的に思います。」

との貴重なコメントを戴きました。<(_ _)>

御指摘の通りと思います。

私は「国立メディア芸術総合センター(仮称)」構想に賛成します!(*^_^*)

<私が賛成する理由>

①日本の映画、漫画、アニメ、ゲームなどの芸術は素晴らしいと思います。これらの芸術に日本国民が容易に接することができる環境整備が重要だと考えます。

特に、昔の漫画は見たくても見れないのが現状ではないでしょうか。私は幼稚園時代に読んだ漫画がずっと見たいと思っています。販売されているならもちろん買いますが、昔の漫画は誰が見せてくれるのでしょう。

今までは芸術と認識されず、風化の一途を辿っていたジャンルの芸術です。是非、総力を挙げて日本の漫画やアニメやゲームなどの作品を探し出して保存し、国民に見せて欲しいと思います。これは未来への偉大な財産になると思います。

②また、「漫画やアニメが芸術なのか」という偏見もまだまだ存在しています。このような偏見を打破することも必要だと思います。

「昔、旅館に泊まるときには宿帳の職業の欄に『画家』と書いていた。とても恥ずかしくて、『漫画家』とは書けなかった」。これは、藤子不二雄Ⓐ先生から伺った言葉です。このお話にとても衝撃を受けた覚えがあります。<(_ _)>

③そして、これらの芸術に触れたい外国人にも言語の壁を無くして触れる機会を作り、日本という国が世界の芸術に貢献していることを明確に発信することが重要と思います。

例えば、広島の平和記念資料館の音声ガイドは、英語、アラビア語、中国語、フィリピノ語、フランス語、ドイツ語、ハングル、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、マレー語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、タイ語、ウルドゥー語と16カ国語も用意されています。このようなサポートシステムが備えられたら素晴らしいですね。(*^_^*)

一般的に箱物を作る政策には注意が必要ですが、ミッションが明確で効果が期待されるのであれば箱物(と中味)を作るべきです。(*^_^*)

国民の目線での議論が重要と思います。<(_ _)>

<党首討論とマニフェストへの期待>

この話題は、2009年5月9日に民主党の鳩山代表(当時、幹事長)が「国立の漫画喫茶」だと指摘したことに端を発しています。

民主党のマニフェストが発表されていないので詳細は分かりませんが、おそらく民主党も今までの動きから判断してコンテンツ振興を支援する政党と考えられます。

ですから、「単に漫画を集めただけの箱物なら反対する」という趣旨かもしれません。

ここら辺を明らかにするためにも、是非、「日本のコンテンツ振興はどうしたらよいか?」を党首討論で議論して頂きたいですね。(*^_^*)

また、自民党、民主党などのマニフェストにも明示していただきたいと願います。<(_ _)>

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シネマ歌舞伎の特別篇「牡丹亭」

<昨日>

朝7時に出発し、「第3回ものづくり日本大賞」の選定のため、新幹線に乗って現地視察を行いました。<(_ _)>

その後、東京に戻り、著作権関係の会合に出席、夜はシネマ歌舞伎の新作の初号試写を拝見しました。<(_ _)>

<シネマ歌舞伎の特別篇「牡丹亭」>

2009年3月に中国の蘇州に滞在された坂東玉三郎さんを追ったドキュメンタリーと、蘇州科学技術文化センターで上演された昆劇の「牡丹亭」の本篇の二部構成でした。昆劇というのは京劇よりも長い歴史のある中国を代表する古典劇だそうです。<(_ _)>

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中国の明の時代に湯顕祖(とうけんそ)によって書かれた戯曲「牡丹亭」が原作となっています。杜甫の詩との関連が深い内容です。

主人公の杜麗娘(とれいじょう)を玉三郎さんが演じ、蘇州訛りの中国語のセリフで演技されました。

この中国語のセリフを覚える(格闘する)シーンがドキュメンタリー部分に収録されています。玉三郎さんの凄まじい努力を垣間見た気がします。(@_@)

NHKのプロフェッショナルの続篇を見れたような気がしました。o(^-^)o

中国の蘇州の町並みや庭園も趣があります。記者会見が行われたのは上海の日本領事館です。外務省の努力が分かりますね。(*^_^*)

南京大学での講演のやり取りは面白かったです。活発な学生からの質問がありました。故レスリー・チャンと親交があった話もあり、とても感動的なコメントをされています。<(_ _)>

ドキュメンタリーを観てから本篇を見ると、「牡丹亭」の内容がより深く理解できると思います。日中の文化交流の大きな進歩を感じました。o(^-^)o

MIPの卒業生(3期生)のCさん(中国からの留学生、4月から日本のゲームメーカーに勤務)が通訳としてエンディングクレジットに名前を連ねておられます。(*^_^*)

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日本最古の映画が重要文化財へ

東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区京橋)

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文化審議会は2009年3月19日、東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵の『紅葉狩(35㎜可燃性デュープネガ・フィルム、342フィート13コマ)』を重要文化財に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。

日本人が撮影した現存する最古の映像である歌舞伎の『紅葉狩』を収録したフィルムが、映画フィルムとして初めて国の重要文化財に指定されることが決まったことは意義深いことと思います。

なぜならば、重要文化財の指定は、これまで江戸時代以前のものがほとんどだったからです。

1996年の有識者会議で「近代の文化遺産の保存と活用の一層の充実をはかるように」と文化庁に提言されました。特に、映画の可燃性フィルムは大量破棄された歴史があるため、文化財として適切に保存する必要があるとして2007年に全国的な調査が実施されていた成果です。

<国宝映画と記されていました>

九代目市川団十郎や五代目尾上菊五郎の踊りが無声映画として記録された歴史的映像で、収録は1899年11月の歌舞伎「紅葉狩」の上演後に歌舞伎座裏の芝居小屋に舞台を組んで撮影されたそうです。

この映画が4月24日(本日)と5月3日(日)に上映されるとのことで、授業後、馳せ参じました。

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上映されたのは、日活株式会社から寄贈された版(6分)と松竹株式会社会長の大谷信義氏より寄贈された版(4分)とデジタルシネマ化したもの(2Kと4Kレベルに修復した実験データ)など。

映画の出だしの字幕に、偉大な歌舞伎役者による演技が収録されたこの映画は「国宝映画」と言える旨が記載されていました。<(_ _)>

偉大な歌舞伎役者の演技を映画を通じて、多くの観客が鑑賞されていました。(*^_^*)

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「明日の神話」が渋谷で公開

またまた大変御無沙汰していました。<(_ _)><(_ _)><(_ _)>

卒業生や知人から生きているのかとまたまた御心配をお掛けしました。元気ですので御安心下さい。いろいろな地方に出張させて頂き、猛勉強中です。o(^-^)o

それにしても、サボりすぎと叱られました。(>_<)

<長い長い道のりの結論>

さて、本論です。約40年前、岡本太郎がメキシコで描いた「明日の神話」(縦5.5メートル、横30メートル)が東京・渋谷の「渋谷マークシティ」の連絡通路に設置され、今日一般公開されました。(*^_^*)

平野暁臣(岡本太郎記念館長)さんに招かれ、除幕式とレセプションに参加してきました。

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「明日の神話」がメキシコで確認されたのが2003年で、日本へ移送して修復する大プロジェクトが始動し、恒久的に設置する場所を巡り、多くの自治体が名乗りを上げました。

渋谷区、港区、大阪、そして広島など。委員会が渋谷区と選定し、設置作業が終了して今日公開されたのです。

今日の公開まで、先の見えない長い道のりだったと思います。平野さんをはじめとする関係者の御尽力に心から敬意を表明したいと思います。<(_ _)>

<渋谷・青山宣言>

・・・と題する宣言がなされました。素晴らしい内容ですので、以下に抜粋させて頂きます。<(_ _)>

「世界的な芸術家・岡本太郎さんが、昭和44年にメキシコで完成させた『明日の神話』は、世界の人たちの共有財産です。この作品は、岡本敏子さんの言葉を借りれば、”岡本太郎の最高傑作”です。・・・

この作品には、たくさんの人たちの気持ちがこもっています。・・・

その人たちの気持ちを絶やすことなく後世に引き継いでいくことが私たちの役目であると認識しております。今日はその第一歩を踏み出したに過ぎません。・・・

公開場所は、「地球」。

公開期間は、「永遠」。

すべての皆さんと共に、誓います。

平成20年11月17日

特定非営利活動法人 明日の神話保全継承機構

理事長 小林幹育」

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NPO法人の永続的な御活躍を心から祈念しています。<(_ _)>

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2008

<5周年>

埼玉県川口市にある「SKIPシティー」で開催されている「国際Dシネマ映画祭」が5周年を迎えました。(*^_^*)

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デジタル機器で撮影され、デジタルで制作された作品だけを上映する特色ある映画祭です。<(_ _)>

今回、過去最多の75か国・地域から993本の作品(長編693本と短編300本)の応募があり、この中から長編部門の12作品と短編部門12作品がノミネートされたそうです。(*^_^*)

招待作品は、オープニング上映の「シネマ歌舞伎」の『人情噺文七元結(山田洋次監督、中村勘三郎主演)』に加え、Livespireの『メトロに乗って』(音楽座ミュージカル)と『FROGS~フロッグス』(舞台)です。ODSの時代を感じますね。o(^-^)o

この『文七元結』の撮影風景と山田監督へのインタビューが放送大学「社会と知的財産」の第8回目の放送教材に収録してあります。<(_ _)>

本日(7月22日)は山田監督と勘三郎さんの舞台挨拶があるそうですが、第3回コンテンツ・日本ブランド専門調査会があるので拝見できません。(T_T)

<映像と音響>

エジソンが蓄音器を発明したのが1877年(明治10年)で、ベルリナーが円盤式のレコードを発明したのが10年後の1887年(明治20年)です。

そして、1895年(明治28年)にリュミエール兄弟により映画(シネマトグラフ)が発明されました。(*^_^*)

それから100年余り。現在のスキップシティで使用されているのが世界最先端の4Kシネマプロジェクターです。o(^-^)o

何度か拝見しているのですが、本当に綺麗な映像です。特に、シネマ歌舞伎はフィルム映画と異なる質感の映像です。(*^_^*)

映像と音響に関する技術の価値と将来を考えさせてくれるのがスキップシティだと思います。o(^-^)o

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新橋演舞場で山形物産展!?

<山形県人東京連合会主催のイベント>

2008年7月5日(土)の夕刻から、東銀座の新橋演舞場で舞台『おしん 』の観劇会(貸切)として開催されました。

三澤潔子会長や齋藤弘山形県知事や女優の小林綾子さんが挨拶されました(下の写真の中央が小林さん、左から4人目が齋藤県知事)。(*^_^*)

私は山形県出身ではないのですが、研究のために潜り込ませていただきました。<(_ _)>

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<地下の売店>

さくらんぼや玉こんにゃくや紅花染めなどの山形の地域ブランド商品がいろいろと販売されていました。o(^-^)o

デパートであれば驚きませんが、劇場の地下での物産展です。(@_@)

『おしん』の舞台である山形の地域ブランドが買えるのは面白いイベントだと思います。お芝居を御覧になられたら、是非、地下の売店も御覧下さい。<(_ _)>

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<山形県民踊協会>

先週の11日(金)、12日(土)は民謡協会の皆さんが新橋演舞場の前で踊りを公開されたそうです。(*^_^*)

私は授業があるので見に行けなかったのですが、観に行った知人が画像を送ってくれました。

通りかかった方は驚かれたでしょうが、楽しかったでしょうね。(*^_^*)

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「ODS」と「おしん」

<日本知財学会>

遅ればせながら、学会で発表した内容を簡単にお知らせします。<(_ _)>

今年の日本知財学会は、2008年6月28日(土)と29日(日)に水道橋の日本大学で開催されました。

以下、土曜日の発表内容を簡単に御紹介しますね。

知的財産戦略本部の「コンテンツ・日本ブランド専門調査会」でもご紹介しようと考えています。

<日本ブランドを高めるコンテンツ資源に関する研究>

◎「ODS」

この言葉をご存知ですか?(*^_^*)

「Other Digital Stuff」の略で、演劇、オペラ、宝塚、サッカー、コンサートを映画館でデジタル上映することを指します。

日本での先進事例が「シネマ歌舞伎(松竹株式会社)」で、「ゲキ×シネ(イーオシバイ)」や「Livespire(ソニー)」も取り組まれています。

以前ご紹介したとおり、シネマ歌舞伎はシンガポールでの世界初の商業上映を行い、このときにアンケート調査を実施しました。これらを通じてODSによる日本のコンテンツの発信が日本ブランドを高めことを検証しています。

◎「おしん」

現在、新橋演舞場で上演されているのが『おしん』です。この演劇を観て、おしんの舞台である山形に旅行しませんか?という観光誘客が行われています。

そこで、5月に台湾で開催された山形の地域ブランド振興に関するプロモーションに同行調査しました。<(_ _)>

齋藤弘山形県知事と女優の小林綾子さんの取材に350名ものマスコミや関係者が集まりました(上の写真は山形県知事のスピーチの様子。着物姿は小林さん、下の写真は会場に溢れた台湾のマスコミ関係者さん)。

その日の夕方や翌日のテレビのワイドショーでも放送されたようです。山形ブランドに対する認知は一気に高まったと思います。(*^_^*)

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現在、台湾では今年の3月から26回目の「おしん」の再放送が土曜日のゴールデンタイムに行われています。

そこで、再放送を決断されたテレビ局の社長に背景や理由などを伺いました(一番左の男性が中国電視テレビ局の社長、右に向かって、通訳さん、小林さん、私、山形の旅館の女将さんたちです)。Tv

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シネマ歌舞伎が世界に発信!(*^_^*)

<「シネマ歌舞伎」が海外で初の商業上映>

「シネマ歌舞伎」が4月12日(土)からシンガポールの映画館のキャセイ シネプレックスにて初めて商業上映されています。<(_ _)>

世界無形文化遺産である「歌舞伎」を舞台で持っていくには億単位のコストがかかりますが、デジタルコンテンツであればかなり少ないコストで「日本ブランド」を世界中に発信できるのです。素晴らしいことですね。o(^-^)o

シネマ歌舞伎」とは、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映する松竹が開発した新しい映像作品で(映画ではありません)、2003年春から開発に着手し、『野田版 鼠小僧』を2005年1月に東京で上映され、2005年9月には第43回ニューヨーク国際映画祭で招待上映されたものです。

「シネマ歌舞伎」の新作を映画館に観に行く度、映画とは全く異なる臨場感(映像も音にも)に心から驚かされます。(*^_^*)

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<世界無形文化遺産に貢献する日本のハイテク技術>

ただし、シネマ歌舞伎の上映にはデジタルプロジェクターやサーバーが必要です。IT立国を標ぼうするシンガポール政府がデジタルプロジェクターの普及を後押ししていますので今回の上映が実現しました。

今回の上映で使用されるプロジェクターは世界最高スペックの「4Kシネマ機」といわれるもので、この映画館はソニーのシネアルタSRX-R220/210を導入するそうです。

高いレベルの芸術を、高いレベルのまま観客に鑑賞してもらうには高度な技術のサポートが必要です。日本ブランドのコンテンツの世界発信に、日本のハイテク技術が後押しをする先駆的な事例といえます。

さらに、日本経済新聞によると、2008年6月からはJALグループの国際線で機内放映されることが決まったそうです。

シンガポールの映画館や国際線の機内で御覧になった方々がどのような感想を持たれるのか楽しみですね。(*^_^*)

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山田洋次監督とシネマ歌舞伎

<シネマ歌舞伎とソニーの最新鋭CineAltaカメラ>

19日(金)は新橋演舞場で「連獅子」と「人情噺 文七元結(ぶんしちもっとい)」をシネマ歌舞伎にする撮影を取材させて頂きました。

撮影カメラはソニーの最新鋭のF23というデジタルシネマカメラなど7台が使用されました。このカメラにはS-log(SONY log)という新機能があり、諧調表現の能力が飛躍的に改善されました。例えば、歌舞伎の女形の白塗りの顔がときどき照明で飛ぶなどの従来の難問をほぼ完璧に解決できるようになったそうです。

シネマ歌舞伎の製作者はこの点に特に注目し、テストを実施した上で、最新鋭カメラをいち早く導入することを決定しました。世界中で130台ほど販売されているそうですが、日本ではまだ10台もないため、 日本中からかき集めての撮影となりました。

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最新の2/3型プログレッシブ3CCDや14ビットA/Dコンバーターを搭載するなど、最新のデジタル技術を駆使し、より細かな階調を表現できる高画質を実現し、RGB4:4:4撮影対応により、CGとの親和性も高く、多様な合成処理を必要とする映画やCMの撮影で威力を発揮できるとのこと。<(_ _)>

今回の撮影は、ソニーPCLチームが技術を担当したそうです。(*^_^*)

モニター室では7台のカメラから送られる映像に近森眞史撮影監督が指示を出されていました。o(^-^)o

モニターの後方は機材とケーブルだらけでとても撮影できませんでした。<(_ _)>

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下記は、放送大学のスタッフが、ソニーのデジタルシネマカメラを収録しているところです。最新鋭のデジタルシネマカメラをハイビジョンカメラが撮影するという面白い構図でした。(*^_^*)

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シネマ歌舞伎は最新鋭のデジタル技術と音響技術が支えているので進化し続けています。芸術と最先端技術のコラボレーションが面白いと考えます。<(_ _)>

<山田洋次監督>

初めてお目にかかりましたが、非常に率直で優しい方なのでとてもリラックスしてお話できました。打ち合わせの風景です。<(_ _)>

今回、「文七元結」では台本改訂と演出(補綴)をされています。山田監督が歌舞伎はもちろん、舞台の演出をされるのは初めてのことです。そして同時に、「連獅子」と「文七元結」のニ演目のシネマ歌舞伎化の監督もされているのです。

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山田監督にお伺いした事項は以下の2つです。。

①NYの国際映画祭でシネマ歌舞伎を初めて御覧になったときに「シネマ歌舞伎は新しいメディア」とご指摘されたと聞いておりますが、どのような点が新しいと感じられたのですか?

②生の舞台の臨場感の再現には何が必要だと考えられますか?

インタビューの撮影風景です。山田監督のお答えは放送大学の放映をお楽しみに。(*^_^*)

山田監督は、「一瞬で本質を見抜く鋭い直観力」と「ものごとの本質を解き明かす論理的な思考力」と「素人にも分かるように説明できる表現力」を兼ね備えた方と改めて尊敬しました。<(_ _)>

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