2-1.文化産業

追悼 梅棹忠夫先生

<梅棹忠夫先生>

大学生時代からずっと尊敬していた梅棹忠夫(うめさお・ただお)先生が90歳で2010年7月3日に他界されました。<(_ _)>

昨晩、このニュースに接して本当に悲しかったです。(T_T)(T_T)(T_T)

大阪万博に関与され、大阪の国立民族学博物館の初代館長などを務め、文化勲章も受章された先生です。

<先進的な研究の数々>

「文明の生態史観序説(1957年)」は日本と西欧の文明が平行進化をたどったとする名著です。

今の日本で議論されている日本ブランドの本質が解明されています。<(_ _)>

「情報産業論(1963年)」は今の知識社会を予見する論文です。

「情報産業」は梅棹先生の造語ですし、「お布施の理論(読経サービスに対して支払われるお布施の金額は、お経を読む坊さんの格とお布施を支払う檀家の格により決まる。情報財の価値も、これとほぼ同じ仕組で決まる)」は脱帽の一言です。o(^-^)o

大学時代に拝読した「知的生産の技術(1969年)」は「情報」がライフワークかもしれないと予感していた私にとって衝撃の書でした。(*^_^*)

「文明の生態史観はいま」にも驚きました。

「日本語のローマ字化を進めて国際化させたい」という内容が書いてあります。(^_^;)

国立民俗学博物館

梅棹先生が初代館長だった国立民俗学博物館のHPによると、「7月7日(水)は「梅棹先生の追悼の日」として、館員一同、正午に黙祷を捧ました。おって、梅棹先生のお別れの会を行う予定ですが、時期等は決まり次第あらためてお知らせします。」とのことでした。

心から御冥福をお祈り申し上げます。<(_ _)>

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JAPANブランド

JAPANブランド育成支援事業

中小企業庁は、地域の伝統的な技術や素材などを活かして世界に通用する新たなブランドを創る各地の取組みを支援する「JAPANブランド育成支援事業」を平成16年度から実施しています。

JAPANブランドのコンセプト(JAPANブランド育成支援事業がめざす方向=運動の理念)は、「地域の中小企業ならではの価値を進化させ、新しい伝統を創造する」とされています。

<JAPANブランド エキジビション>

6月25日(月)から30日(土)までの6日間、東京・五反田の東京デザインセンターで開催されました。

JAPANブランド育成支援事業に取組む30地域のプロジェクトが一堂に集結する展示・商談会「JAPANブランド エキジビションin TDC」でした。

ブランド確立支援事業の2~3年目の案件が多かったと思います。いくつかのブランドを御紹介します。

「Casting Innovation 新・川口鋳物の創造」

埼玉県 川口商工会議所

活用する地域資源:鋳物

IHクッキングヒーターの最適調理器具という観点から、国内市場においてはオール電化住宅の多い都市部を中心にアプローチする。パイロット販売及び海外展示会等を通じたマーケティング活動を実施し、販売戦略や販売体制の確立、広報ツールの作成、品質目標の決定・管理、デザイン作成など事業化への多面的な取り組みを展開する。

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世界へ発進!津軽『うるおい、うるわし』事業プロジェクト

青森県 弘前商工会議所

活用する地域資源:漆器

伝統的工芸品である「津軽塗」の伝統的技法と多様な塗模様を活かし、新製品の開発・販売とともに、オーダーメイド商品によるファッション・インテリア・家具・テーブルウェア等のハイクラス層をターゲットに市場開拓を図る。海外市場では最も反応の良いフランスを中心に、欧州のデザイン関係のハイクラス層に狙いを定めて市場開拓を図る。

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“enn”ブランド育成支援事業 

新潟県 燕商工会議所

活用する地域資源:鎚起銅器、漆器

昨年に引き続き、国際ギフトフェア(ニューヨーク)、アンビエンテ(フランクフルト)へ出展し、欧米市場への販路開拓を図る。金属漆の評価の高さから、ジュエリー関連商品等、ダイニング空間への展開など、その価値を最大限に生かすことのできる商品開発を進め、欧州・米国市場をターゲットに、よりハイエンドな商品をお茶の専門店、高級ブランドショップ、高級レストラン、ミュージアムショップ等を通じて販売展開を図る。

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<薩摩が誇る美と技のコラボレーション>

鹿児島県 鹿児島県商工会連合会

活用する地域資源:薩摩切子、大島紬

今年度の事業計画として、商品開発においては、若手デザイナーの協力を得てデザインや製作技術の融合を図り、和を基調とする新たな薩摩切子、大島紬の商品開発に取り組み、販路開拓として、昨年に引き続きフランス、オーストリアへの展開を継続。11月〜12月にかけてヨーロッパでの展示会、商談会を開催。また、東京ギフトショーへ参加し、国内展開も図っていく。

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<「魚梁瀬杉」再生プロジェクト>

高知県 中芸地区商工会

活用する地域資源:木材加工

平成18年度Gマークを取得したmonaccaの新商品の開発を行う。情報発信として日本語、英語のパンフレットの作成、統一webサイトの立ち上げ、また、国内のデザイン展示会100%DESIGN TOKYOやパリのメゾンエオブジェへの出展により国内外のバイヤーとの商談を行うなど販路開拓に取り組む。その他生産体制の見直しや産学官の連携による商品力の向上を図る。

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実際に製品に触れることができ、大変面白かったです。次の開催が楽しみですね。(*^_^*)

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東京テクノフォーラム21

<東京テクノフォーラム21>

 コラム「先端科学の周辺」において、拙書「文化産業を育成する知的財産に関する調査研究」についてコメントを頂きました。

 過分な評価を戴きまして心から御礼申し上げます。<(_ _)>

<中小機構イベントレポート>

 今日は静岡県で『地域資源活用シンポジウムin静岡』が開催されました。詳細は、明日のブログで御報告します。

 この内容が、ラジオ日本(1422KHZ)での「中小機構イベントレポート」として3月15日(木)10:35-10:45、18:20-1830にオンエアされるそうです。この中で、数分間、お話させて頂きました。

 ラジオのチェックは大変なので、HPからダウンロードして聞く方が楽かもしれません。宜しければ御拝聴下さいませ。<(_ _)>

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株式会社イヤホンガイドの30周年記念パーティー

<久門(くもん)郁夫社長>

先週から出張していました。出張帰りで駆けつけたのが、「株式会社イヤホンガイド」の30周年記念パーティーです。

多くの来賓がお祝いに参集されて、大変な賑わいでした。

30周年、心からお祝い申し上げます。<(_ _)>

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挨拶されているのが、イヤホンガイドを発明された久門郁夫社長です。

2006年11月30日、長年の文化活動により顕著な業績を挙げた文化人として、文化庁長官表彰を受けられました。

こちらについても重ねてお祝い申し上げます。<(_ _)>

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日本舞踊『鶴亀』 の画像です。右端にLED(発光ダイオード)を利用したG・マークが写っています。

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イヤホンガイド

歌舞伎座、南座、大阪国立文楽劇場、国立劇場おきなわ、国立能楽堂などでは、舞台にあわせて物語の筋や約束事、配役などの解説が流れてくる「イヤホンガイド」があります。

舞台の進行に合わせて解説がタイミングよく提供される日本発のビジネスです。

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(イヤホンガイド社のホームページから転載)

1975年(昭和50年)11月4日午前10時、イヤホンガイドのデビュー時は利用者たった7人だったそうです。

イヤホンガイドの歴史は、新しい発明が世の中に受け入れられるまでの経緯として大変勉強になります。

観劇の時に見かけたら、是非、体験して見てください。いろいろな意味で学ぶことが多いと思います。(*^_^*)

G・マーク

オペラに適用する際、イヤホンガイドのシステム以外はないかと問われ、10年越しで編み出したのが目で見る解説「電光字幕のG・マーク」。

プロジェクターやLED(発光ダイオード)の発明が新しいビジネスモデルを可能としました。

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(イヤホンガイド社のホームページから転載)

イヤホンガイドの解説ノウハウとデジタル技術を組み合わせて、海外演劇やオペラやダンスの公演等で使用され、2006年8月からは海外進出を果たしています。

科学技術が文化の普及に大きく寄与している好例と思います。

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東京財団の講演の御礼

<皆様へ御礼>

昨日は、講演会に御出席戴きまして心から御礼申し上げます。

お蔭様で150名募集のところ、250名の方に御出席戴きました。会場の上限まで追加の椅子を出して戴きました。東京財団の皆様にも心から御礼申し上げます。

早速、苅田吉夫様からコメントを戴きまして光栄に思います。メールも多数戴いております。皆様、本当に有難うございます。

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<「地域に役立つ文化産業と知的財産」の講演のポイント>

1.知財を取り巻く環境変化(第2章)
 ① 知的財産の位置づけの変化
 ② 知的財産とは何か
 ③ 知識社会の到来

2.文化産業の研究背景(第1章第1節、第3章)
 ① 第1の長期ビジョン
 ② 第2の長期ビジョン
 ③ 第3の長期ビジョン
 ④ 文化産業
 ⑤ 歴史人口学
 ⑥ 江戸時代は進んでいた
 ⑦ 日本文化は遅れているか
 ⑧ 文化資本

3.文化産業と知的財産の具体例(第4章)
 ① 博多万能ねぎ・・・会場で「博多万能ねぎ」を回覧
 ② 「彦根屏風」・・・今年は「彦根城築城400周年祭
 ③ 歌舞伎・シネマ歌舞伎・・・チラシを配布

4.アンケート調査の結果(第5章)
 (15)貴機関は「知的財産」を所有されていますか
 (29)政府や自治体の作成している「知的財産政策」は充分だと思いますか
 (30)政府や自治体からの「知的財産政策」に関する情報提供は充分だと思いますか

5.8つの提言(第1章第2節)
提言1 「ゆたかな時間」を生み出す「文化産業」を発展させよ
提言2 「文化産業」の発展に「知的財産」を活用せよ
提言3 「技術」と「芸術」を融合せよ
提言4 「伝統文化」と「伝統技術」を活用しよう
提言5 「進歩」という名の呪縛を解こう
提言6 「日本文化」を見直そう
提言7 「遊び」を大切にしよう
提言8 「日本文化」と「文化産業」を世界に発信しよう

(「章」は報告書の該当部分です)

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「文化産業を育成する知的財産に関する調査研究」報告会の御案内

<報告会の詳細が決まりました>

「地域に役立つ文化産業と知的財産 ~『地域ブランド』の活用例を参考に地域活性化を考える~」というテーマです。

日   時: 1月24日(水)14:00 ~ 16:00

会   場:日本財団ビル2F 大会議室(特許庁の真前の建物)

最寄り駅:虎ノ門&溜池山王

参加費:無料

定員:150名

申込方法:お名前ご所属 連絡先TELを明記のうえ、FAX(03-6229-5506)又はE-mail(matsushita@tkfd.or.jp)でお申し込みください。詳細は、「seminer070124.doc」をダウンロード してください。

当日は、「文化産業」、「地域ブランド」の重要性と、「8つの提言」、「文化産業と知財に関するアンケートの調査結果」を中心にお話させて頂く予定です。<(_ _)>

宜しかったら、是非、御参加下さいませ。(*^_^*)

<「文化戦略」を日本の国家戦略とする8つの提言>

①「ゆたかな時間」を生み出す「文化産業」を発展させよ

②「文化産業」の発展に「知的財産」を活用せよ

③「技術」と「芸術」を融合せよ

④「伝統文化」と「伝統技術」を活用しよう

⑤「進歩」という名の呪縛を解こう

⑥「日本文化」を見直そう

⑦「遊び」を大切にしよう

⑧「日本文化」と「文化産業」を世界に発信しよう

報告書本体はこちらです。(*^_^*)

セミナーの御案内が続いて恐縮です。今年度のセミナーはそろそろ終了し、放送大学の教材作りに集中する予定です。<(_ _)>

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近況報告と「講演・セミナーの御案内」

<今日>

今年最後の授業です。「知財政策」の授業では、「知財教育」についてお話します。

ところで、今日はクリスマス!!(*^_^*)

熱心に勉学される院生さんに、小さな小さなケーキをプレゼント!!

あわせて、レポート課題もプレゼント!!(*^_^*)

<明日>

明日は、「石川県農業総合研究センター」で講演させていただきます。地域ブランドと種苗法関係のお話となります。

11月23日のブログで書かせて頂いた「白山菊酒呼称統制機構」に加盟する蔵元5社を取材してきます。

後日、ブログで御報告させていただきますね。(*^_^*)

特許の上手な活用法>=特許関係

僭越ながら、来年の講演会の御案内です。私の講演会は、参加費「無料」が特徴です。どうかお気軽に御参加下さいませ。<(_ _)>

2007年1月17日(水)に、東京フォーラム(有楽町)で開催される「ベンチャーフェアJAPAN2007」のセミナールーム・プログラムで標記の講演させて頂きます。

このセミナーは、事前申し込み制となっております。どうか宜しくお願い申し上げます。

地域に役立つ文化産業と知的財産>=地域ブランド、文化産業関係

翌週です。

2007年1月24日(水)に、「文化産業を育成する知的財産に関する調査研究(東京財団委託)」の報告会として、標記の講演をさせていただきます。 

会場は日本財団ビル(港区赤坂1-2-2)2階の大会議室です。定員は約150名。

申し込み方法など、後日お知らせ致します。<(_ _)>

・・・というわけで、お正月は講演会の準備に忙殺されます。(*^_^*)

皆様にお目にかかるのを楽しみにしています。<(_ _)>

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地域団体商標制度の部屋

<特許庁のホームページのトピック欄>

「地域団体商標制度の部屋」が誕生しましたので、訪問しました。

http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou.htm

「地域団体商標」の情報が集約されているのでとても便利なサイトです。是非、御覧下さい。

少しだけ残念(?)だったのが、他の頁と同じ作りで「部屋」的でないこと。タイトルだけでも変えられたら嬉しいです。期待しています。(*^_^*)

真面目な話し。

地域団体商標出願で登録されたものは、10月27日(金)に55件、11月21日(火)に9件で、合計64件です。

各地域で大きな話題となっています。

これからどんな地域団体商標が誕生するのか楽しみですね。(*^_^*)

<JAPANブランド>

今日、新宿の伊勢丹(デパート)を少し散策しました。

平成16年度に採択されたJAPANブランドの一つの「燕(enn)」の商品が展示されるという情報を戴いたからです。

伊勢丹に展示されるのは来月の予定とのことで、今日は商品を手にとって見ることはできませんでした。

(今日はこの写真をメインにしようと考えていました)

今、「JAPANブランド」への取り組みは大変活発になっています。

http://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/chiiki/japan_brand/

デパートの担当者と話していて気がついたことは、一流のデパートに製品を陳列することは至難の業であるということでした。

地域ブランドの研究者でも、消費者として商品を見るためには東奔西走する毎日です。

JAPANブランドを支援するには、デパートなどの理解と協力が必要と気がつきました。

消費者へアピールし、販売する機会がさらに増えることを願っています。(*^_^*)

<日曜日から火曜日まで>

「知財政策」の授業と原稿書きと荷造りに追われていました。

明日発行されるメルマガの原稿を、日経BP社の永栄プロデューサーとやり取りしている最中にこのブログを書いています。

いつもなら月曜日の朝にメールで送っている原稿が、今回は火曜日の昼となりました。永栄さん、ごめんなさい。<(_ _)>

時間を取られた要因は、下記の報告書のパッキングでした。

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政治家の先生方、中央官庁の担当者、アンケート調査にお答え戴いた自治体・関係機関の皆様、文化産業・地域ブランドの関係者宛に送付させて頂きました。

発送前は数百の封筒で山となり、デジカメで取る気にもなりませんでした。夕方、ようやくクロネコさんが台車を搬入して回収してくれました。

皆様、もう少々お待ち下さいませ。<(_ _)>

手伝ってくださった院生さんに御礼申し上げます。<(_ _)>

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文化産業を育成する知的財産に関する調査研究

<ありがとうございます>

今日で、ブログ開設4日です。(*^_^*)

温かいコメントと励ましのメールをたくさん戴きまして、感激しています。

MIP(理科大の知財専門職大学院)の院生さんたちや外部の知人に加え、故郷(特許庁)の審査官や審査官補の皆様も読んで下さっているようで嬉しい限りです。(*^_^*)

<安倍総理の所信表明演説>

ところで・・・。

2006年9月29日、安倍総理は所信表明演説を行われました。

その中で、「アニメや音楽などのコンテンツ、食文化や伝統文化などについて、国際競争力や世界への情報発信力を強化する『日本文化産業戦略』を策定します」と述べられました。

その翌日が・・・。

東京財団の委託の「文化産業を育成する知的財産に関する調査研究」の締切日でした。

パニック状態で報告書をチェックしていた時で、この「文化産業」という言葉に仰天した次第です。(^_^;)

東京財団の担当者の御尽力で迅速にPDFで公開して戴きました。

160頁もありますが、宜しかったら御高覧下さいませ。<(_ _)>

<地域ブランドニュース>

すると・・・。

日本の地域ブランドを牽引している「ブランド総合研究所」が、『地域ブランドNEWS』で、この報告書を紹介して下さいました。

素晴らしい記事をありがとうございます。<(_ _)>

地域ブランドNEWS』は、地域ブランドに関するあらゆる情報を網羅されています。

そうしたら・・・。

これを読まれた「地域ブランドとしての与論島」を考えている方が、報告書のサマリーを作成して下さいました。

こんなに手間を掛けていただいて感激です。(*^_^*)

だんだん・・・。

ドミノ倒しのような話になってきました。

世の中の動きは早いと感じる次第です。(*^_^*)

皆様に心から御礼申し上げます。<(_ _)>

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